先日、じゃっくが大学院卒業記念の二人展をやるというので、銀座のギャラリーまで出向いた。休日の銀座は人で溢れかえり、それでも新宿や渋谷で感じる苛立たしいような混雑はなく、なかなか心地よくふらふらと、春先の暖かさにゆられながら、ぶらりと歩行者天国を通り抜ける。
そのゆるやかな時間の流れに乗って花を買い訪れたギャラリーの、その雰囲気が実に「じゃっくらしい」もので満たされていて(と言っても半分だけ)、彼女の作品を何度か見に行ったけど、今回が一番気持ちよく作品に接することが出来た。
彼女の作品は、本当にもう昔から彼女にしかない何かで構成されていて、彼女の感覚がそのまま銅版画としてそこに刻み込まれているとしか説明のしようがない。以前、写真を取り込んだ作品を目にした時は、流石に少しわかりやすくしようと思ったのかな、と感じたのだが、彼女自身その方向性に迷っていた時期だったこともあり、今回見に行った二人展では本人が言っていたことだが「原点に戻った」作品が展示されていた。
私はただもうホントに嬉しくて、時間の経過というのがこんなに美しい形で顕れている存在は他にないんじゃないだろうか、なんて大仰なことまで思ってしまうほどで、今だってその空間を思い出せば本当に優しい気持ちになることが出来るのだ。
そんなわけで、相方の人がエライ気に入ったらしいじゃっくの作品を購入し、今必至になってその銅版画を飾るにふさわしい空間を作ろうとしております。