本日職場で実に面妖なことを言われた。
一瞬フリーズした後、憤慨しつつもその言葉に不本意ながら納得してしまい、そんな自分に混乱したあげく「それって褒め言葉ですか?」とついきつい口調で反応してしまった。すかさず「癒し系って事で解釈していいんですかー?」とフォローしたけど。なんでワシがフォローしなければならんのじゃ。しかし、何と言うことだ。この27年と数ヶ月の間自分のことだというのに一向に気がつかなかったよ。ムーミンに似て居るだなんて! カバに間違えられて動物園に収監され掛けた生き物に似て居るだなんて、そんなことありえない、と思いたい。外見を指摘されたのか雰囲気のことを言われたのか口調なのか声色なのか(岸田今日子?)性格なのか、あえてその辺りは深く考えないことにしておりますが。よし、妖精だと思われたと言うことにしよう。歌手のムーミンに似ていると言われたら窓ガラス突き破って三十数階の高みから飛び降りている所でした。どっちも嫌いじゃないけどさ、やっぱり納得がいかない。と、この話を夕飯後に漏らした所、一緒に御飯食べてた人からも似ていると言われました。なんで気がつかなかったんだろう、とも。なんですと!
しかしだね、そんな事を言ったおっさんのほうがよっぽどムーミン体型というか、信楽焼の狸じゃねえか、と思い溜飲を下げた次第。

学生の頃に取っていた授業で児童文学研究という講義がありました。内容に関してはっきりと思い出せることはほとんど無いのですけど、唯一憶えているのはその先生が、ムーミンのアニメの脚本を書かれていたと言うこと。岸田今日子の方です。原作で名前の無かったノンノンに名前を付けたとか、原作にないエピソードだったかキャラクタだったかをアニメにしたところ、それを見た原作者に大変気に入って貰ったとか何とか、そう言う方。その先生にアニメも良いけど原作もきちんと読みなさいと言う事を言われ、いつの日か読まねばと思って、思い始めてもう随分と経ちます。未だに読んでいませんが未だに読みたいと思い続けている不思議。本屋に積読していると思うとついつい新刊に手を出してしまうのですが、ここ最近は学生の頃に買い溜めた本を読んでいます。
今読んでいるのは横光利一の『上海』。担当教官が横光研究していたのでね。読んだ作品はそれほど多く無いのだけど、題材に似通ったものが全くない所が凄いなと。